あの日の臍の緒切断 – 思い出に残る夫の役割
妻の陣痛が始まり、夜中に病院に駆け込んだ。受付で手続きを済ませ、分娩室に案内された。妻はすでにベッドに横になり、陣痛に耐えていた。痛みに顔を歪めるたびに、私は手を握り返し、声をかけた。
「頑張れ!あと少し!」
スタッフの方々が妻の様子を確認し、時折励ましの言葉を送ってくれた。そして待ちに待った時が来た。「もうすぐ赤ちゃんが産まれますよ」看護師さんが言う。
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妻は最後の力を振り絞り、真っ赤な顔から力んでいた。するとポンと赤ちゃんの頭が出てきた。そのまま小さな体が次々とこの世に生を受けていく。夢にも思わなかった奇跡の瞬間に立ち会えた。
「パパさん、こちらでお願いします」
スタッフの人が私を呼び止めた。そう、臍の緒を切るのが父親の役目だ。思いがけない栄誉に戸惑いながらも、手にした鋏で臍の緒を切断した。
切れた臍の緒の端から出血があり、早速スタッフが処置をした。一方、赤ちゃんは泣き声をあげ、この世で初めて肺から空気を吸い込んでいた。生まれたての赤ん坊は血で汚れていたが、それでいて愛おしく思えた。
その後、赤ちゃんは沐浴され、綺麗に包まれてから妻の胸元に抱かれた。妻が目を溢れんばかりの表情で赤ちゃんを見つめる姿に、胸が熱くなった。
臍の緒切断はささやかな役割かもしれないが、自分の子供の誕生に何らかの形で関わることができた。それが何よりの喜びだった。切れた臍の緒の一部は記念に保存し、大切な思い出の品となった。
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