妊娠中の体型変化に戸惑う
私が妊娠したのは結婚3年目のことだった。あこがれの母親になれる喜びと同時に、体型の変化に対する不安も大きかった。
妊娠初期は、つわりで体重が少し減る程度だったが、徐々にお腹が目立ち始め、着れる服が限られてくるにつれ、精神的なプレッシャーを感じるようになった。
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そんな私に、母が「ママリンパは避けられない」と多くのアドバイスをしてくれた。子宮が大きくなるのは当然で、それ以外の部分も変化するから身構えるよう助言された。そう考えると、少し気が楽になったものの、どこまで変わるのかは不安でいっぱいだった。
出産後の自分の姿に愕然
そしていよいよ出産となった。赤ちゃんを抱いた時の喜びは格別だったが、体型の変化は予想以上のものだった。ママリンパは下半身だけでなく、お腹まわりやお尻、太ももにも出来てしまい、自分の姿に愕然とした。
ずり落ちたお腹、ハリのなくなった肌、それに目立つ傷跡。鏡で上半身を見ると、上向きに尖った乳房にも戸惑った。妊娠前に憧れていたマタニティ・ルックとは程遠いなりだった。
「ああ、これがママリンパなのね」と実感するばかりだった。母は「すぐには元の体型に戻れないから気長に待つことが大切」と言うが、着る服がないことにストレスを感じた。
ママリンパへの心構え
数ヶ月が過ぎても、体型はなかなか戻らず、自分へのコンプレックスが出始めた。「本当にこれでいいのか」とマイナスの考えにとらわれ、買い物にも出掛けづらくなっていった。
そんな時、買い物に行った親戚のおばさんから、ある助言を受けた。
「産後に理想の体型を求めすぎると、かえってダメージを受けるわよ」
「確かに産まれたばかりの頃はグロテスクで戸惑うけれど、それもある程度仕方のないことなのよ。あと少しずつ、でも確実に体は元に戻るから」
そうおばさんは優しく言ってくれた。体の変化はダイエットをしたからといって、すぐに元に戻らないことも教えてくれた。基本的には1年を目安に、徐々に戻っていくものだと。
むしろ、この時期にリバウンドを恐れてがむしゃらにダイエットをすれば、かえって健康を損ねてしまう。まずは授乳や育児に集中し、体型の回復は後回しでいいと言われた。
赤ちゃんのお世話が一番
この助言を聞いて、私なりにママリンパへの心構えを決められた。体型の変化に一喜一憂するよりも、まずは赤ちゃんのお世話が何より大切なのだと気付かされた。
着れなくなった服はしまっておき、産院の売店で適当に大きめのものを買って過ごすことにした。確かにお世話の傍ら、散歩や軽い運動を取り入れ始めると、少しずつ体重は戻っていった。
母乳育児に専念した半年が経つ頃、ようやく体型が以前に近づいてきた。まだ完全に元の状態とはいえないが、気にしすぎるよりは、赤ちゃんと向き合う時間を大切にしよう、と思うようになった。
おばさんに助言してもらったおかげで、ネガティブにならずにすんだ。ママリンパはいつかは元に戻る。でも今は赤ちゃんとの時間を大切にすることが、母親になった私にできる最大のことなのだと実感した。
次の世代へつなぐ心構え
そしていつの間にか、ママリンパはほぼ解消された。今では、妊娠前とそれほど変わらない体型になった。
改めて母や、助言してくれたおばさんに感謝の気持ちでいっぱいだ。どんな母親でも一度はママリンパに悩むものだが、最終的には自然に元の状態に戻る。そしてその間、赤ちゃんのお世話を最優先に考える心構えが大切だと学んだ。
私もいつか、この経験を子や孫に伝えていきたい。ママリンパは避けられないが、それもまた母親になるための通過儀礼のようなものなのだと。
一時の体型の変化なぞにとらわれず、赤ちゃんとの限られた時間を有意義に過ごすことが何より大切だと。この心構えを、これからのママ世代へとつないでいきたい。
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