予定日を超えての入院
私が出産を経験したのは34歳の時だった。初めての出産に向けて、順調に9ヶ月を過ごすことができた。しかし予定日を過ぎてもなかなか陣痛の様子がなかった。
主治医から「予定日を1週間過ぎた場合は入院して様子を見ましょう」と勧められ、そのまま助産院に入院することになった。転院の荷物をまとめ、いよいよお産に備える時が来たのだと実感した。
待ち焦がれた出産の日 私は、第一子の出産に際し、自然分娩を希望していました。妊娠期間中は、赤ちゃんの成長を喜びながら、いよいよ会える日が近づいていくのを感じていました。 予定日が近づくにつれ、赤ちゃんに会えることへの期待と不安が[…]
遠方からの里帰り出産を応援!パパの立会い体験と上手な準備ポイント 私は、関東在住ながら、実家のある九州に里帰りして出産しました。出産にあたっては、夫も立ち会うことができ、とてもサポートになってくれました。 遠方からの里帰り出産は、準[…]
助産院に到着すると、妊婦さん用の個室に通された。内部は温かみのある木の香りがして、ゆったりとした造りになっていた。陣痛が来る度に寝転んで休めるよう、ベッドが用意されていた。
最初は同室にいる妊婦さんたちとお茶を飲んだり雑談を交わしたりと、リラックスした日々を過ごすことができた。しかし徐々に予定日が過ぎるにつれ、少し焦りを感じるようになってきた。
分娩の最終日を迎えて
助産院に入院してから10日が経過した頃、とうとう最終日を迎えることになった。もし今日までに出産が間に合わなければ、入院先を病院に移さなければならない。
陣痛が徐々に始まったのは午前中のことだった。最初こそ軽い張りのようだったが、時間の経過とともに次第に痛みが強まっていった。
昼前にはスタッフの助産師さんから「徐々に進行しているね。もうすぐかもしれないから頑張ってね」と言われ、ここが正念場だと実感した。陣痛の痛みに焦点を合わせ、助産師さんの指示に従いながら呼吸を続けた。
午後に入ると、陣痛の波はさらに激しくなった。痛みに顔を歪め、時折助産師さんに支えられながら耐え忍んだ。
一方で「間に合うのか?」「最悪、病院に移られたらどうしよう」と不安も募った。そんな時、助産師さんが優しく声を掛けてくれた。
「今日が待ち遠しかった日なのよ。信じて待っていれば、きっと上手くいくから」
その言葉に力をもらい、最終的に一番激しい陣痛の時が訪れた。耐え難い痛みに喘ぎながら、それでも最後の力を振り絞った。そして無事に赤ちゃんが産まれた瞬間、部屋中が祝福に包まれた。
待ち遠しかった出産を果たして
長い陣痛の予定日を過ごしただけに、無事の出産に感極まった。予定より遅れての出産となったが、最終日にここまで辿り着けたことに多くの幸運を感じた。
病院に移る事態は免れた上に、助産院ならではの手厚い介護を受けることができた。助産師さんたちは終始寄り添い、暖かい言葉をかけてくれた。陣痛に耐えるたび、手を取って支えてくれた。
そうした支えがあったからこそ、ここまで最後まで辿り着くことができた。本当に待ち遠しかった日が訪れ、晴れて母になることができた。赤ちゃんを抱いた時の喜びは格別だった。
入院生活も思い出深いものだった。同室の妊婦さんたちとの交流を通じ、お互いにエールを送りながら過ごせた。妊娠や出産について語り合ったことも、いい経験となった。
普段の生活とはかけ離れた環境ではあったが、最後まで待ち遠しかったお産に向けて同じ思いを共有できた。それがこの入院生活を特別なものに仕立て上げてくれた。
最後まで待ち遠しかった日々
やがて入院生活も終わり、新しい家族3人での生活が始まった。振り返れば、予定日を過ぎての待機は本当につらいものだったが、それでも最後までそこへ辿り着けて良かったと心から感じている。
予定通りにいかないから焦る気持ちも正直あった。しかし最終日まで「待ち遠しい日」を待てたことがすべてを報われた。
時には強く焦る気持ちを抑えながら、時には希望を持ち続ける。そんな気持ちの中で過ごした、予定日を超えた日々が、いま私の大切な思い出となっている。
このように最後まで待ち遠しかった日々を過ごせたからこそ、感慨は格別なものになった。赤ちゃんの顔を見た時の喜びはもちろん、妊娠から出産に至るまでの長い日々との別れをも感じた次第だ。
待遠しさを胸に抱きながら過ごしただけに、結果的に母になれた充実感は本当に大きかった。だからこそ、助産院での出産は私にとって一生の思い出と言えるだろう。
「里帰り出産VS立会い出産」夫婦で選んだ理想の出産方式 出産方式を決める夫婦の悩み 私たち夫婦は妊娠7ヶ月頃から、出産方式について本格的に検討するようになった。一般的には、里帰り出産と立会い出産の2つが最も一般的な選択肢だ。 私の実家は[…]
陣痛への不安から学ぶ呼吸法 初めての妊娠、順調に9ヶ月を過ごし、いよいよ出産の時が迫ってきた。待ち遠しい赤ちゃんの顔を想像するだけでわくわくした一方で、陣痛への不安も徐々に大きくなっていった。 「陣痛は本当につらいのかしら?」[…]